本屋へ入門してみよう
とても小さな革表紙の本が机の上においてあったのを覚えている。
とても小さな、10センチ×20センチ位だったろうかと記憶しているけれど定かではない。
其れは紛れもない洋書だった。
其の本を手にして革表紙の本は重いものだとふと感じた。
机上から本を手にしながら炬燵へと向かうと、父が幼い私をスッと膝の上へを乗せてくれ炬燵の上で本を開いたものだ。
洋書の中は淡い色彩の非常にシンプルな絵だった。
当時まだ小学一年生ぐらいだったのではないだろうか、其の優しい色使いに目を奪われて飽くこともせずに何度も何度も洋書を開いたことを覚えている。
洋書への興味が始まる第一歩だった。
後に我が家には外国文学の全集があることを知った。
其れは翻訳版であった。
挿絵が入っているわけでもなく文章だけがびっしりと書かれており私はそれを暇があれば読むことに没頭した。
日本語訳であったからだろうか、読んでいると情景や風景や事物が実際はどんな風なものであろうかと想像を掻き立てられたものだ。
このような時期と平行して外国語の勉強が学校生活の時間割の中に入ってきた。
もちろん其の言葉は英語である。
異国の文化への感心は日本語訳の文学全集からも高まり始めてもいた。
原書版で洋書を読みたいと思い始めた。
家庭教師から英語を教わっており時々に外国の雑誌や英字新聞なども目にするようになり、ただ単に文字の美しさもいいものだなと、家庭教師を羨ましく思った事もあった。
英語の勉強は大変に面白くもあり、学校の成績もまずまずだったので私は大学での専攻を英文学とした。
まあ、此れは少し問題ではあったがどうしても洋書をすらすらと読んでみたいものだと思ったからだ。
英文科へ入ったおかげで手にする本は原書だった。
妖精についての本を原書で読んだ時カラーの洋書版が出ていないかと探し回った事がある。
お目当ての本が見つかった時その色調に感動した。
幼いころ見つけた洋書がきっかけで本の楽しさを知り、クリスマスカラーの洋書を購入したり、幼児向けの洋書を注文したりして楽しみ始めた。
あれから20年、今でも本は私の生活に欠かせない存在となのである。
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